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「最初に言っとくけど…」

さて、11月30日。昼過ぎに出町柳駅で待ち合わせ。メールで、「私は身長168㎝、体重75㎏、足のサイズ26㎝。ワカメちゃんカットが目印です」と書かれていて、「ものすごく大きな人やん!」と思っていた。「この人かな?」と思った人は、確かに身長168㎝くらいだったけど、「体重75㎏は冗談やったんやな」とわかった。並んで立つと、身長差10㎝!あらかじめメールで「僕は背ぇ低いですよ」と伝えていたので、それほど変な感じでもなかったけど、傍目には見事な凸凹コンビの二人が叡山電車に乗って、いざ貴船へ。

「ところで…なんで貴船神社なん?」
「市内は紅葉もだいぶん散ってるけど、『奥座敷』やったら残ってるかなぁって思って」
「え?紅葉って山奥から始まって、先に散ってしまうやん?」
「えぇ?そうなん?桜は山奥が最後まで残ってるやん?」
「桜は南からで、紅葉は北から始まるやん!」
「あ、そっか!」
「っていうか、今まで知らんかったん?」

もしかして…この人って、大ボケさん?大学の研究者って、浮世離れしている印象の人もいるけど…貴船駅に着くまでに、すでにボケボケ振りをいかんなく発揮していた和子さん。

ネイティブ京都人でなく、京都観光にも詳しくなかった僕は、この時まで貴船神社を知らなかった。「貴船神社にでも」と誘われ、さっそく調べてみると、水の神様を祀っているほかに、「悪縁を絶ち、良縁を結ぶ」という御利益も書かれていた。「もしかすると、もしかして…『婚約破棄したばっかり』ってメールにあったし…」と勘繰っていた僕の憶測は、この「貴船には紅葉が残ってるかも」という和子さんの大ボケ振りで見事にひっくり返った。

貴船神社まで歩き、「ここまで来たついでに」と、鞍馬寺まで抜ける山道を回って一駅分歩いた。鞍馬駅で帰りの電車を待つ間、
「ちょっと小腹空きません?」
と僕が持参したタッパーに入れたビスケットを開けると、和子さんは
「こんなの用意してる男の人ってはじめてやわぁ!袋で持ってくる人はいてるやろうけど、タッパーに移して持ってくる人は珍しいわぁ」
と驚いていた。和子さんは、ずっと後のテレビ取材でもこの話をしていた。そのくらいインパクトあったんだろうな。

今思えば、なんでタッパーに移してたのか?しかもなぜに生協のABCビスケットを持参?と不可解な事ばかり。だけど、なにが誰にどんなインパクトを与えるかはまったくわからない。あとにも先にも、そんなモノを持って出掛けたのはこれっきり。コトが進む時には、まったくワケのわからんモノが絡み合うのだと、今さらながら実感。

出町柳駅まで帰ってきたんだけど、まだまだ喋り足らない。鴨川を渡った河原町今出川のミスド(ミスタードーナツ)でお茶して、それでも話したりず、「この時間ですし、飲みます?」と近くの「食べもん屋 かんから」へ。

今でも覚えてるけど、その店の2階のテーブル席。生ビールを乾杯して一口飲んだ後、僕は和子さんに、
「和子さんってモテるでしょ?」と尋ねた。
「ん~モテモテってことはないけど、彼氏がなくて寂しいって時期は今までないかなぁ」
「でも、今はいないんですよね」
「うん。いないね。珍しく」
「じゃあ、他の人とくっつかない間に言ってしまいます!僕と結婚前提で付き合って下さい」
「うん。エエよ」

え?

……
………
ええええええ?!?!?!

自分でも、なんで「結婚前提」って言ったのか?はたまた「うん。エエよ」という軽い返事にも「え?」だった。なんてったって、メールではやり取りしていたけど、会ったのはこの日がはじめてだ。「エエの?ホンマにエエの?」と思った。

その後、いろんな話をしながら、二人で「久保田」の「千寿」をものすごい勢いで飲んだ。かなり気持ちよくなって、できあがってきた頃、和子さんから

「今日は、亮ちゃんちに泊まっちゃおうかなぁ?」

と。
すでにこの時「亮ちゃん」と呼ばれていた。半日前にはお互いの顔も知らなかった二人は、えらく急接近していた。

「うん。いいよ。掃除してきたし」

最初からそのつもりがあったんかい!と突っ込まれそうだけど、「万が一を想定していなかった」と言えば大ウソだ。

ところで、この「泊まっちゃおうかな」発言の前に、和子さんは僕に、とっても重要な申し出をしていた。

「最初に言っとくけど…私、家事は大苦手やねん」

この申し出に、僕がどう答えたのか、残念ながら正確には覚えてない。たぶん、僕は「付き合って」というアプローチに「エエよ」と答えてくれただけで舞い上がってたんだと思う。でも、その後のコトを考えると、その和子さんの申し出に、僕はガックリ寂しそうにするわけでなく、「え~?ウソやろ?」と否定的な返事をしたわけでもなかったはず。たぶん、
「あ、そうなん?ほな僕が家事するわ」
と答えたんだと思う。

この時、僕はもうすぐ30歳の誕生日を迎える29歳。和子さんは35歳。お互いに、これまで紆余曲折があり、エエ格好するとか、見栄を張るとか、そういうのが面倒くさくなっていて、最初から「素」全開で接していた。会う前から、婚約破棄を吐露し合ったり。とにかく、「そのままの自分」で会って話して、それでわかりあえる人と巡り逢えたらラッキー!という感じだったんだと思う。だから、「家事が大苦手」というのも最初に言って、それでダメなら「短い付き合いでエエっか」だったんだと思う。



和子さんはその夜、僕のマンションに泊まった。
次の朝…
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プロフィール
主夫生活の傍ら、「スーパー主夫」「プロ主夫」として講演や執筆活動をしている山田亮のブログです

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