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夫婦別姓生活

「結婚しよっか」という話から、婚姻届提出までに2か月半かかったのは、和子さんが韓国籍だったからだ。そのため、戸籍上の国での婚姻の事実がなく、重婚ではないという「婚姻要件具備証明書」、俗に「独身証明書」というものが必要だった。ハングルで書かれた提出書類は、なにを書いているのかサッパリわからなかったので、翻訳してもらったり、韓国政府の機関に送って証明証を発行してもらったりしているうちに、時間が経ったのだった。

僕は日本国籍なので、韓国籍の和子さんとは、国際結婚ということになった。日本語(それも京都弁)の他には英語が少々程度で、辛いモノが苦手で、キムチよりも京都の漬け物が好きな、「韓国籍京都人」の和子さんとの書類上の国際結婚生活。当然、いわゆる「国際結婚」につきものの文化的溝によるトラブルを感じる事はほとんどなかった。むしろ、ごくごく一般的な共同生活が始まる時のギャップを感じる方が大きかった。

国際結婚に関して、僕はともかく、僕の親も意外なほど「あっそぉなん?」という程度の反応だった。和子さん自身も韓国人アイデンティティーに強烈な思い入れがあり、民族意識が強烈に強い人ではなかった。むしろ、在日コミュニティー独特のしきたりや慣習からは、少し距離を置いた感じだった。それは義父母も同じだった。僕に、韓国式の価値感を押し付けたことは一切無かった。

ところで、国際結婚には、大きな特典が付いていた。それは、婚姻届を出しながら夫婦別姓が可能なことだ。現在、夫婦別姓にしている人もたくさんいるが、その実情は事実婚状態であったり、通称使用であったりする。書類上も結婚していて、しかも戸籍上の名前として夫婦別姓が使えるのは、今のところ国際結婚しかないはず。

当時、僕も和子さんも、学生と教員という立場は違えど、研究機関に所属していた。名前が変わるということは、業績がゼロに戻るということだ。だから、研究者の中には結婚後も夫婦別姓にする人が多い。和子さんもその覚悟をしていたそうだが、国際結婚だったので自動的に夫婦別姓になった。

もともと、僕も自分の姓が変わる事は考えていなかったので、和子さんが変わらずにすむというのを、我がコトのように「よかったなぁ」と思った。ちなみに、僕が、和子さんの姓を名乗ると「任亮」になり、名前だけ見ると完全な中国人だ。

実は、僕は、中学から高校にあがる時に、名前の呼び名を変えた。「亮」は、それまでは「あきら」と読んでいた。だけど、なかなか「あきら」と読んでもらえず、「いつか『りょう』に変えたいなぁ」と思っていた。そんな時、高校1年時の数学教師が「や~まだ!これを『あきら』と読むんかぁ。『りょう』でエエやん。今日から『りょう』でいこうや」と言われ、「ほな変えます」ということで、あっさり「やまだりょう」にした。戸籍上の名前にはふりがながないので、読み方を変えるのは案外簡単だった。

今の和子さんの職場では、結婚後もそのままの名字を使う人が増えてきているらしい。セクションのトップが夫婦別姓を使っているから、申請しやすいというのもあるかもしれない。実際は、国際結婚なので自動的に夫婦別姓という本当のところまで知る人は少ないと思うけど、それでも実態は少しずつ変貌している。

さてさて、夫婦別姓なので、和子さんは婚姻届を出した後も、名前が変わらず生活していた。すると、決まって言われていたのが、
「いつの間に結婚してたん!」
だった。女性は結婚したら名前が変わるというのが当たり前な環境だと、この反応も予想できる。だけど、あまりにもよく言われたせいか、ある時、和子さんは「なんで、結婚したことを、いちいち言わなアカンの?」とボヤいていた。「男の人も会議の最初とかに、『この度結婚しまして…』って言うん?結婚したって知った途端、態度をコロッと変えられるモノなん?」とも。

僕たちは、「指輪をする習慣がないから」という事情で結婚指輪を作っていない。だから、結婚指輪もしていなかった。「結婚してます!」をこれ見よがしにアピールするのも、「な~んか、モテない君が嬉しがってるみたいでカッコ悪っ」と思った。あえて、こちらからは主張せず、尋ねられたら「結婚してますよ」と答えるのが自然でエエなぁというのは、今でも思っている。

その「いつの間に…」の次に、出てくるのが、「今、新潟なん?」だった。和子さんが婚約していた男性の居住地で「嫁に行く」予定だった地だ。
「ずっと京都。新潟とは別の人やねん」
「ええええ!!!いつの間にぃ?!新潟行く話ってのもついこの前とチャウかったっけぇ?」
こんな会話が、何人分か続いた。
これを聞く度に、驚くような「スピード婚」なんやなぁと実感した。

そして、
「チョットチョットそんな人、どこで見付けたん?」
「え~~っとHPで…」
「なになに?ネット婚?メール婚?今どきや~ん!私もインターネットしよっかな?」
これも、あっちこっちで話した。
その度に、「メール婚」なんやなぁと実感した。
インターネット人口が爆発的に増え始める、ほんの少し前の時期だった。

ところで、いつ結婚したか、今一つ知られてなかった和子さんは、結婚後もそれまでと同じように食事や飲み会に参加していた。そこで、和子さんは「ん?」というお決まりの習慣と接し、戸惑うのであった。
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プロフィール
主夫生活の傍ら、「スーパー主夫」「プロ主夫」として講演や執筆活動をしている山田亮のブログです

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